節制と享受
|
- 2006/06/02(Fri) -
|
「節制」という徳を、
『ゴルギアス』でプラトンがソクラテスに語らせている. それを、ニーチェは「豚の徳」と呼び 持てるものは持つがよい、それが徳だ、と言ったようだ. 私は、二十歳過ぎ、そう知っていたが、 人間らしくあることとは おいしいものを食べて喜び、 愛するものを所有することだと考えるようになった. そう私が正面から思うようになったのは、ラブレーの影響だろう. フランソワ・ラブレー, 渡辺 一夫 ガルガンチュワとパンタグリュエル (第1之書~第5之書) (訳者は、東大仏文科卒の大江健三郎が『個人的体験』の中で〈義父〉として描いている人物のモデル) この、産声が「食べたーい食べたーい」だった主人公の物語は 若い私に、釈尊よりも朗らかな人間肯定観を与えた. 《グロテスクなほどに人間的でいる》 しかし、それは、子どもの普通の姿でもあるように思う. そして後年、社会の中で生きていくことにこそ 太古の昔に釈尊が考えた困難があるのを私は知ることになる. |
コメント |
コメントの投稿 |
トラックバック |
トラックバックURL
→http://odjinn.blog69.fc2.com/tb.php/20-faa21572 |
| メイン |
|