2017 07 ≪  08月 12345678910111213141516171819202122232425262728293031  ≫ 2017 09
スポンサーサイト
- --/--/--(--) -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
授業参観
- 2016/02/11(Thu) -
(本記事は、私がスウェーデンから博士論文を出す目的で帰国して滞在していた仙台の東北大学時代の生活である.それは、2001年の冬のことだ.私が当たり前視していた 「血の繋がらない者どうしの家庭」 風景の一齣である.)



当時、私は長髪を後ろで結わえ、きたないジーンズ・Tシャツ・革ジャンだったが、アキラの母は小綺麗な女だった。
父親が来ていたのは2~3人だったが、そんなこと、私は気にしない。
第一、私は、アキラの父ではない。
アキラは私を、私の下の名前に「さん」をつけて、母親がするのと同じ呼び方を私にしていた。
家に遊びに来る友人が私を「アキラくんのパパ」と呼ぶたびに、アキラは「パパじゃないの、○○さんなの!」と訂正していた。
私も、「きみのパパは世界で一人だけ」と教えていた。

授業参観のテーマは「得意なもの発表会」だった。
アキラに得意なものなんかあるのか、何かを練習していた形跡さえないぞ、と私は、アキラの母親とかなり心配になって教室の後ろの母親たちの群れにうもれていた。
みな、ウタ歌ったり楽器を奏でたり、掛け算九九の暗誦、とか、フラフープ、とかをしていた。
果たして、アキラは…
アキラの番になり、彼は、「さかだち」だった。
なんて地味な……、と見合す私とアキラの母親の顔に縦線が入った。

先生が彼の足をもつようで進み出た。
するとアキラは大声で母親たちの中にいる私を指差してきっぱり言った。
「先生じゃだめ。○○さんにもってもらいたい」

先生は当惑。
いや、それよりも当惑したのは母親たちだった。
普通、自分の父親なら「お父さん」とでも呼ぶだろう。では、この、参観日に来ている長髪の男は、いったいだれなのか、お母さんの愛人なのか…(ま、それはそれではずれではないのだが)、といったどよめきが教室の後ろを占めた。

私は、「よしきた」と進み出た。アキラの母親が私の腕をつかむ。

先生も、特定の父兄を前に出したくないのだろう、私にとまるように目配せした。
再度アキラに「先生じゃだめなの?」と尋ねる先生に、アキラは、「○○さん」と繰り返した。
3度目の先生の申し出に「じゃあ、先生でもいいよ」とOKを出すアキラ。
彼は、先生に足を持たれて、倒立腕屈伸を10回やった。
家で私がしている真似をしたのだ。
母親たちは、逆立ち腕立てを10回したアキラに賞賛を送ったが、私は、私を指名してくれたアキラに心から感謝した。

授業あと、アキラの同級生の女の子のかわいい子の名前をチェックすることを私が忘れなかったのは言うまでもない。

それからしばらくして、テレビ月9の「人にやさしく」で、香取と松岡と加藤が主人公・明の授業参観に行く回があった。
やつらも、明の同級生のかわい子ちゃんを見つけて大騒ぎしていた(松岡などは、美しい母親を口説いていた)。
それでアキラと彼の母親に私がまた笑われたのも言うまでもない。


h

この記事のURL | いまも | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<季節 | メイン | 血の繋がりを超えて営まれるべき幸福>>
コメント

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://odjinn.blog69.fc2.com/tb.php/10-26bde490
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。