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食餌①
- 2017/01/18(Wed) -
きょう、約37年ぶりにカップヌードルというものを買った。

正調の、NISSINのあれである。(写真は後日掲)





昔、大学に入って全部自活すると親に宣言したあと、私は、朝飯抜き、昼飯は図書館の英字新聞を読みながら数十円のカップコーヒー、夕食は、銭湯の隣の食品店で残った油もの総菜を廉価でゆずってもらい、コロッケやピーマン肉詰めなどのころもをはいでむさぼる、という生活をしていて、サンスクリットやギリシャローマ・古代教会スラブ語などの読書を図書館の開館時間から閉館時間までしていた。私には、読書、だった。だから、空腹のストレスにも読書の愉しさで耐えられた。私の腹は、えぐれていたが。

そのころ、アルバイトをしていた店で、「きょうの朝ごはんは食べたの?」を美しい人妻にきかれて、うぶだった私は、胸張って、
たまたま、当時、売り出し中で、たぶん、百円以下だったNISSINのカップヌードルを食べた朝であったので、「はい! きょうは、
カップヌードルを食べてきました!」と喜色満面で答えたら、「なんて、かわいそうに」と言われたのを、思い出した。



その後、私も、酒を覚え、日本や世界の各地で美味なものを知り、そうして、また、
老年のゆえに食のことを考えざるをえない年齢にいよいよなった。



それなのに、今夜は、ウイスキーに数十年ぶりのカップヌードルに、昼間に行った、

島の重箱料理の講習でつくった三枚肉やこんにゃくや大根煮や昆布煮や豆腐揚げなどが肴である。


いや、これは、後者のせいで、超 豪勢、というべきだ、な。
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ウプサラ大學の空気
- 2017/01/18(Wed) -
スウェーデンの、最高学府にして北欧最古の大学、ウプサラ大學の学部・大学院の教室には

よい先生が導く小学校の教室のような

自由で明るく、ただ、学ぶことを愉しむだけの空気が横溢していた.

特に著述はなくとも、その学識は日本のどんな研究者も及ばぬであろう老教授、

彼は、私が目指した、「どんな言語の単語も、語源から音韻法則に正確にのっとってその成り立ちを説明する頭脳」 をもっていた.
そんな叡智の数々を、彼は、まるで、茶飲み話をするように、さらりとこともなげに語ってすましていたものだった.

私の親友だった Cristian Kampitsch はいつも教室の後ろの席で椅子を後二本脚でゆらして鉛筆を噛みながらニーチェを読んでいた.授業は、ドイツ語文法学・ドイツ語翻訳の時間である.
そして、教師になにかつっかかかりたいことがあると、いきなり立ち上がって、教室を縦断して教師と文法論を戦わせていた.
教師 Kenneth も、そんな彼の挑みを喜んで受け止めていた.

――――――

日本の大学院には、授業に出るのにも、この先生の授業に出ていればどこかの大学に就職を紹介してもらえるから、
という理由だけで出ている者が、私がいた頃の早稲田大学旧ドイツ文学科にはうようよ、いや、私の周りはそんな人間ばかりだった.
留学するにしても、ハクつけのため.帰国してからの就職のためで、その国で本当に鍛えようなどとは思っていない者たち.留学中1年間部屋から極力出ないで、趣味の楽器の練習とコンピュータ遊びをしていた云々.


「世界の~」 という呼称は日本ではいまは、映画監督やお笑い芸人の専売ではない.ちょっと外国に論文があると、自分を学生に 「世界の○○」 と呼ばせる大学教授までいる.


私がスウェーデンで出あった先の老教授は、世界の、というか、歴史的な先生だったが、定年になり、私の申し出を微笑んで断って独りで自分の書籍を台車に乗せて学部長室を去って行った後姿は、真に、偉大な人のそれだった.

――――――

日本人もノーベル賞をとったりすることもあるから、
日本の政治家も学者も、自分たちは世界に伍しているとおもっているかもしれないが、

日本人の大多数の大学人および企業の管理職クラスの真の向上心のなさ、世界視野での善への希求心の欠如は、いまは陋習となっているといってよい.



この国が、いつか本当に世界の国々と、その精神性のゆえに肩を並べることができる日が来るのか.


それは、もしかしたら、一見この国のエリート層・上級生活者たちのように自認している者たちの力ではなく、

民間の、名も無いような人たちが、一人ひとり海外で真によき活動をして、
その国の人々に評価され、
日本人のイメージが変容し、かつ、
そうした無名人の生き方を国内でも評価できるような、
そんな土壌ができてからのことになるのかもしれない.


k



(09.02.10記)
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